K-Meansクラスタリングの理解¶
目的¶
このチュートリアルにより、K-Meansクラスタリングの概念や、その動作原理などを理解する.
理論¶
よく使われる例を使って理論を理解しよう.
Tシャツのサイズ問題¶
新しいTシャツのモデルを売り出そうとしている会社を想像してみよう.その会社では、あらゆるサイズの人々を満足させるよう、いろいろなサイズのモデルを製作すだろう.そこで、人々の身長と体重のデータを集め,下図のようなグラフを得たとしよう:
しかし実際には、会社はあらゆるサイズのTシャツを作ることはできない.その代わり,人をSmall, Medium, Largeの3種類に分割し,どの人にも合うようこの3つのモデルだけを作るであろう.このように人を3つにグループ分けすることは、k-meansクラスタリングによって可能であり、このアルゴリズムは、どの人も満足させるようなベストの3通りのサイズを決めることができる.もしもできない時には、3ではなくそれより多い(例えば5)グループに分割することになる.下の図をみてみよう:
動作原理¶
このアルゴリズムは繰り返し処理の一つである。図を使って少しずつ説明していこう.
下図に示すようなデータを考えよう(今考えたTシャツのサイズ問題とみなしてもよい).我々はこのデータを2つのグループに分ける(クラスタリングする)必要がある.
ステップ 1: まずランダムに散布図の2個の座標 と を選び重心(centroid)(仮に)とする(データから2点を重心としてランダムに選択することもある).
ステップ 2: この重心それぞれとデータとの距離を計算する.そして の方に近いデータは ‘0’ とラベル付けし, の方に近いデータは ‘1’ とラベル付けする(もそも重心の個数が多ければ,さらに ‘2’,‘3’ とラベルを増やす).
ここで、‘0’ とラベル付けされたデータはみな赤色で, ‘1’ とラベル付けされたデータはみな青色を塗ると,以下のような図が得られる.
ステップ 3: - 次にすべての赤点の座標の平均を計算し,その点を新しい重心とする.同様に、すべての青点の座標の平均は とする。このようにして重心の位置を更新する(ここに載せている画像は正確なデータではなく、あくまでもデモンストレーションである点に留意せよ).
そして,新しく求めた重心を使って再びステップ 2の計算を行い、データすべてに‘0’ か ‘1’ のラベルを与える。
この結果が以下の図である:
- 重心の位置が更新されなくなる(つまり不動点に収束する)まで ステップ 2 と ステップ 3 を繰り返す (ただし、「最大繰り返し回数」や「特定の精度」が終了条件として与えられている場合は、収束しなくとも停止することがある).
- これらの重心は、そのグループのデータとの距離の総和が最小となる点となる.もっと簡単にいえば の距離と の距離の和が最小となる点である.
最終的な結果は以下である(重心は四角で表されている):
これがK-Meansクラスタリング法の概要である.より詳しい説明や数学的な説明は、一般的な機械学習の教科書や補足資料中のリンクを参照すること.ここで述べた方法は、いわばK-Meansクラスタリングの最上層のものであり、例えば重心の初期値の設定方法や繰り返し処理の高速化などの改良版が多数ある。
補足資料¶
- Machine Learning Course, Video lectures by Prof. Andrew Ng (Some of the images are taken from this)
- Scikit-learn: Scikit learnのKMeansの項